2006年02月22日

●民間で出来ることは・・・

市立図書館に指定管理者 静岡市教委導入方針

見出しを見ただけで、ものすごく気になった。静岡市図書館と言えば、利用度の高さで有名なわけで、いったいどうやって導入するのかと思ったら、これまたややこしい手法で行おうとしている。まず、市立西奈図書館で導入をとあるが、複数ある図書館の1館で導入というのはサービスの均一化という点でやはり疑問が生まれる。ただでさえ、静岡市は平成の大合併の象徴のような寄せ集めの状態で、どの程度旧市町村図書館間でのサービス格差があるのか気になるところで、指定管理者が加わればかなりの混乱が生じるように思える。

別に、記事にあるように、「サービスの低下につながる」「民間業者に維持できるとは思えない」といった指定管理者の運営能力について疑問視するわけではない。山中湖情報創造館を見れば分かるだろう。しかし、今回のケースでは、サービスや運営方針の統一という部分で、1つの自治体のなかに複数の運営者が混在すると言う状況に懸念が生じる。

今の職場でもそう。学部図書館は複数あるわけだが、貸出規則は統一だが、学部図書館自体の利用規則やカウンター対応などには差がある。これは、全学統一システムに参加した時期が違うため、それまでの個別に運営していたため運営ポリシーにも違いがある。しかも、各学部図書館間の職員の差なんてものもある。専任職員がいる学部と派遣職員のみの学部という違いもあれば、職員自身の経験、スキルの差もある。今年他学部の職員まで集めて蔵書点検の講習会を開かねばならなくなるように、ずいぶんと差がある。

そもそも同じ派遣職員でも、適当に空きが出たところに割り振られた職員と図書館に興味があるもしくは司書資格を持っているから派遣された職員とでは、自然と取り組む姿勢も違ってくるから、どうしたって差が出てくる。

おそらく静岡市の図書館も旧静岡市とそれ以外では図書館運営のあり方が大きく違うだろう。そうしたなかで、サービスの均一化を図らねばならず、当然その場合には高い水準のサービスに統一しなければならない。ここをクリアできるかどうかが最大の課題となる。ソフトランディングのために段階的導入という意図は分かるが、なかなか難しいだろう。

指定管理者の先駆者である山中湖情報創造館を目指すのもいいが、山中湖村で唯一の図書館(と同等の機関)という点を忘れてはならない。

Posted by 向かうところ手品師 at 2006年02月22日 23:48
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