2005年11月30日

●図書館総合展

図書館総合展に行く。

まず、フォーラム「図書館のnet活用術」を聞く。

TRCの「映像情報net」のサービス紹介を兼ねたものということで、それだったら、同時間開催の「Gppgle and Libraries」の方に出ればよかったなあ、などと思ったり。まあ、どこかIT系ニュースサイトが取り上げるんじゃないかな。内容は、第三の情報革命時代における図書館の資料提供といったところか。

図書館を「知識の提供」と「文化の創造」という2つ役割から、マルチメディア時代の図書館のあり方を考えようというもの。net活用と言っても、検索ツールなどではなく資料提供ツールとしてnet活用であった。映像資料が図書館の資料として重要な役割を果たすようになるなど、図書館の資料提供にも大きな変化が見られるようになった。それらを提供する仕組みをつくるのが、第三の情報革命時代における図書館の司書の役割であるということ。例えば、最近話題のパスファインダーも、大学図書館と公共図書館ではおのずと内容が違ってくる。

確かに、デジタルメディアの充実は図書館の機能を広げる可能性をもたらすけど、活用するのは非常に難しい。生かすも殺すも司書のうで見せ所。でも、今の図書館学ではまだそこまで対応し切れていないのも事実。

久しぶりに大串先生の話を聞くことに。実は昭和女子大のOBなんですよ。(んなあほな)相変わらず、話の脱線が面白い。『アマデウス』や『カルメン』を流したときにはかなり熱が入ってなんのフォーラムか分からなくなりそうに。

出展者プレゼンテーションでは、「図書館向け電子ブックサービス」

紀伊国屋書店が提供する「OCLC NetLibrary」の紹介。システムとしてまず気になったのが、貸出機能。1つの資料につき1アクセスという制限がついていて、閲覧の場合は15分間操作がなければ、ログアウトになる。それに対して貸出は、あらかじめ設定した時間についてアクセス権を与えるというもの。例えば12時間と設定していれば、その間は席を外すなど、アクセスしていなくてもログアウトにならず、アクセス権が保証されるという。学術資料が90%で、資料引用などが基本利用形態となっているので、一般図書のように2週間というような貸出期間は必要ないそうだ。なるほど、OCLCが提供するだけに、利用形態などはきっちり把握している。もう1つ、運営側の視点としては、料金形態がライセンス制ではなく買い切り制というのが面白い。資料ごとに料金が設定されていて、1度それを支払えば、追加料金は基本的には無いとのこと。紙媒体の資料と同じで一度購入すれば、その図書館の「蔵書」ということになる。5年間の完全保障がついていて、それ以降は特別な事態が起こった場合には追加料金を貰うこともある。来年には日本語資料の提供も始まるという。

展示としては、やはりICタグシステムが多い。今年はデジタル資料関連の出展も見られた。そういう点では、大串先生のフォーラムとも合致する。あとは山中湖情報創造館の丸山さんに会う。夏の見学のお礼ついでに少し話をする。丸山さんのblogを読んだり、話をしたりすると、大串先生の言う、第三の情報革命時代の図書館の情報提供の仕組みをつくるという司書の役割に通じるものがある。大串先生の話を聞きながら、デジタルライブラリアンという言葉と丸山さんが思い浮かんだ。個人的には共感する部分も結構ある。

Posted by 向かうところ手品師 at 2005年11月30日 23:23
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