2005年08月09日

辞める人間に追い討ちをかけるつもりは無いが。

横浜佐々木の引退登板があった。

別に、この時期に引退表明するのは構わない。周囲が騒がしくなって、チームに悪影響を及ぼす事だってある。事実、この引退騒動とリンクするように、横浜は連敗中である。ついでに言えば、表明する前から、「今季限り」がいつの間にか規定路線になっている選手だっていた。

中畑などはそのいい例。故障で2軍落ちしていたことから、正式発表の前の早くから、引退が規定路線化していった。ただし、引退問題について中畑は明言しなかった。球団も認めようとはしなかった。シーズン終盤、中畑は1軍へ復帰した。でもって、巨人の優勝決定戦では、代打で登場して2ベースを放ち、球場の盛り上がりは最高潮になった。野球場でウェーブが起きたのを生まれて初めて見た。正式な記録は知らないが、史上初のことだったかもしれない。(それだけ人気の選手だった。あの頃は)正式発表は、シーズン終了後で、シーズン最終戦、日本シリーズ最終戦でも登場し、本塁打を放った。

話を戻すが、やはり今回の引退登板はおかしい。なぜこの時期にやるのか。中畑を例にすれば、まだ本人は引退表明をしていない状況だった。藤田監督は功労者として、晴れの舞台で代打起用した。そしてその厚意に結果で応えた。でもって、観客はそれを理解していた。いわゆる余興の要素は見せなかった。

しかし、今回は違う。引退を表明して、思い出の地宮城で清原相手に投げたいと会見を通じて発表した。明らかに、「脅迫」である。この結果、佐々木の代わりに捕手(投手でないところが佐々木の置かれている状況だろう)の新沼慎二が登録抹消された。彼も宮城出身の選手である。そして今、清原へのワンポイントリリーフへのつなぎのためだけに、「当て馬先発」を勤めることとなった秦裕二の立場はどうだろうか。佐々木を引き継いで実質的な先発投手となった門倉は、どういう気持ちでブルペンで肩を作っていたのだろうか。

球史に残るリリーバーであったのは、間違いない。球団としても最高の花道を用意しなければならない。それに、甘えてはいなかっただろうか。おごりは無かっただろうか。「家族のため」という美談を仕立て、横浜に復帰し、6億5000万という高額年俸を得ながら、目立ったことといえば、私生活のスキャンダルと引退のドタバタくらいしかない。衰え自体を攻める気は無い。仕方の無いことである。復帰前の状態をみれば、明白である。しかし、その立場に見合う振る舞いを最後くらい見せて欲しかった。

そして、こうした不良債権を「人気獲得」を当て込んで、高年俸で獲得した横浜のフロント、とりわけ佐々木獲得に積極的であったとされるTBSの責任は重い。

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